2008年9月28日 (日)

藤原洋記念ホールこけら落しコンサート

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慶應義塾日吉キャンパス協生館『藤原洋記念ホール』

昨日は、慶應義塾150年記念『藤原洋記念ホール』

開設記念こけら落しコンサートで弾いて参りました。

慶應義塾日吉キャンパス協生館に生まれたこの

新しいホールでのコンサートは、一生胸に残る、

心に深く刻まれるものとなりました。

 

ホールの美しい姿、柔らかく温もりのある素晴らしい

音響、そしてカワイピアノSK-EXの素晴らしい音色が

見事に融和して、優雅で品格ある響きの最高の空間の中で、

限りない音の世界を探索する至福の時間を

与えて頂きました。

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司会の木村太郎さんとのトーク場面にて。

 

また、今回は司会の木村太郎さんとトークをさせて

頂く機会を頂きました。大きなオーラを放たれ、

懐深いお人柄が現れた司会は、じつにスマートで

内容深く、機敏に溢れ、200%の安心と信頼感をもって

委ねさせていただいたトークは、大変貴重な経験でした。

プロの素晴らしさに触れた瞬間でした。

 

大きなプレッシャーと緊張感をもって迎えたコンサートは、

言葉では言い表せないほどの数々の貴重な出来事、

素晴らしい方々との出会い、心に深く留まる一瞬一瞬、

感謝の気持ちと喜び溢れる、凝縮された時間となりました。

関係者の皆さまには、この場をお借りして、心から

深く感謝申し上げます。

そしてこの大変素晴らしいホールの開設に、

心からお祝い申し上げます。

 

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by Rutsuko

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2007年1月31日 (水)

永遠の女性像

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Yoko Takano

いつの頃からか、私の中に存在する一人の女性。

それは、ブルージーンズに波打つような長い黒髪、

色白で細面の美しい顔の女性。

優しくて、その笑顔はほがらかで、いつも同じ目線で話し、

どんな時も両腕を広げてそのままを受け止めてくれる、

そんな女性を私は知っている。

いつの間にか私の中でその人のイメージは、

そのほがらかな笑顔とは対象に、その人の描く絵の中の、

物憂げで悲しげな表情の女性に重なっていった。

永遠の女性像。

私がまだ幼い頃、宝石のように煌く思い出が

いっぱい詰っているマニラ時代。

学校帰り、スクールバスの停車する公園を横切って、

毎日のように向った先に、その女性はいた。

私の心に大きなイメージを残した、愛して止まないその女性に、

もう二度と逢うことは許されない。

けれど、彼女の残した作品の中に彼女の全てがあり、

それは、いつまでも永遠に途絶えることなく、

残された者に語りかけてくれる。

「私はその時、それらの芸術を作った民族の心
そのものを理解するのだ。それが芸術の力だ。
それはわれわれを捉え、われわれの周囲の
自然をも変える力を持っている。・・(中略)
・・真の芸術は『開いている』もので、
見るものに働きかけ、何かを生み出すものなのだ。」
アルベルト・ジャコメッティ(「ジャコメッティとともに」
矢内原伊作著 筑摩書房)

私の知る青の時代から緑へと、そして、

最後に私の知らない白の世界へと移り変わっていく

その軌跡は、私の心を激しく、そして、静かに

捉えて離すことはありません。

高野庸子作品

Yoko's web site 製作者へ敬愛と感謝を込めて。

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by Rutsuko

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2007年1月17日 (水)

祈り

Tchaikovsky

以前から好んで聴いていた合唱曲。

最近殊に愛して止まないのが、ポリャンスキーの録音、

チャイコフスキー「聖ヨハネス・クリソストムスの典礼」。

合唱曲、特に宗教曲には神聖で厳粛な、それでいて、

「人間の業」というものが内包された人の声の、

幾重にも重ねられた和声と無限自在に伸縮を繰り返す

音程の空間の中に、気が遠くなるほどの重層感を持って

聴くものを圧倒する力があるように感じられます。

時には深い懺悔の念を呼び起こす力、

情念、雑念を振りほどき制し律する力、浄化。

人は感情のエネルギーが理性を圧倒する時に

厳粛なる制というものを強く求めるものなのかもしれません。

神に祈る行為のごとく。

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by Rutsuko

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2007年1月12日 (金)

ドラマティックな瞬間

出逢い、別れ、そして再会 ―

最もドラマティックな瞬間。

それは、十人十色。千差万別。

でも本当は、それらの点と点を結ぶ線の中にこそ

ドラマがあるのかもしれない。

点は凝縮された瞬間。

様々な形を持つ、人と人との関係 ―

いつも近くにいて頻繁に行き来する関係。

近くにいるのに距離感のある関係。

遠くにいるのに密接な関係。

たまに会っても距離を感じさせる関係と感じさせない関係。

・・・・・・

多様。

でも、そのどれをとっても、そこには「つながり」がある。

そして、出逢いも別れも再会もない人生はない。

人は皆、それぞれに様々なドラマティックな瞬間を

持っているのですね。

このココログ通信上でも、皆さんとそんな点と線を

つなげていけたらすてきだなぁ。

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by Rutsuko

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2006年10月14日 (土)

アトリエ

  拡大

先日、「私の逸品」でご紹介した木彫刻家

西島千春さんのアトリエへ行ってきました。

アトリエそのものが一つの作品のような空間の中に、

私のお気に入り木版画のシリーズに登場する、

猫のそばこちゃんときんぎょちゃんと千春さんが、

あたかも作品から飛び出してきたかのように存在していて、

これは夢か現か幻かー、

眩暈を覚えるような昼下がりのひと時でした。

そして、ベルメールの世界へ通じていくような、

作品の数々。

一個の木の塊から生命が誕生する神聖な空間、

アトリエ。

魅せられて止まない世界です。

西島千春さんの個展が10月25日より30日まで

愛知県刈谷市の柴舟画廊にて開催されます。

西島千春木彫刻展

西島千春公式サイト

必見。

by Rutsuko

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2006年5月18日 (木)

アルベルト・ジャコメッティ

   Giacometti

先日、日本に帰国してからまだ解いていなかった残りの荷物を整理していたら、一時期つけていた覚書帳がでてきて、しばし感慨深いひと時。
自分の言葉で書かれたものはさておき、最も心奪われるものが、10代で出逢ってから今に至るまで、変わらず私のバイブルとなっている彫刻家アルベルト・ジャコメッティの語録集。これはジャコメッティと深い交流のあった矢内原伊作さんが書かれた、すでに絶版となっている2冊、「ジャコメッティとともに」(筑摩書房)、「ジャコメッティ 私の現実」(みすず書房)を知人からお借りして、その中にあった印象に残るジャコメッティの言葉を私がノートに書き写したもの。これをボロボロになるまで幾度も読み返してきたのですが、ここ数年、イタリアでの度重なる引越しで荷物に紛れ込んでしまい、しばらく目にしていないものでした。久々に読んだ彼の言葉はかつて理解できなかったものが、ああ、こういうことだったのか、と気づかされたり、改めて共感できるもの、現実の自分にふりかかっている問題に対しての答えであったりと、変わらず生きた言葉としてダイレクトに心に響いてくるものでした。ストイックなまでに彼の求める真実と向き合い続けた作家。彼の人間性は作品の中に息づき、永遠に私たちに何かを問いかけ続けてくれるものに思います。

    Giacometti

「私はその時、それらの芸術を作った民族の心そのものを理解するのだ。それが芸術の力だ。それはわれわれを捉え、われわれの周囲の自然をも変える力を持っている。・・(中略)・・真の芸術は『開いている』もので、見るものに働きかけ、何かを生み出すものなのだ。」アルベルト・ジャコメッティ(「ジャコメッティとともに」矢内原伊作著 筑摩書房)

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