2007年1月31日 (水)

永遠の女性像

Yoko_takano
Yoko Takano

いつの頃からか、私の中に存在する一人の女性。

それは、ブルージーンズに波打つような長い黒髪、

色白で細面の美しい顔の女性。

優しくて、その笑顔はほがらかで、いつも同じ目線で話し、

どんな時も両腕を広げてそのままを受け止めてくれる、

そんな女性を私は知っている。

いつの間にか私の中でその人のイメージは、

そのほがらかな笑顔とは対象に、その人の描く絵の中の、

物憂げで悲しげな表情の女性に重なっていった。

永遠の女性像。

私がまだ幼い頃、宝石のように煌く思い出が

いっぱい詰っているマニラ時代。

学校帰り、スクールバスの停車する公園を横切って、

毎日のように向った先に、その女性はいた。

私の心に大きなイメージを残した、愛して止まないその女性に、

もう二度と逢うことは許されない。

けれど、彼女の残した作品の中に彼女の全てがあり、

それは、いつまでも永遠に途絶えることなく、

残された者に語りかけてくれる。

「私はその時、それらの芸術を作った民族の心
そのものを理解するのだ。それが芸術の力だ。
それはわれわれを捉え、われわれの周囲の
自然をも変える力を持っている。・・(中略)
・・真の芸術は『開いている』もので、
見るものに働きかけ、何かを生み出すものなのだ。」
アルベルト・ジャコメッティ(「ジャコメッティとともに」
矢内原伊作著 筑摩書房)

私の知る青の時代から緑へと、そして、

最後に私の知らない白の世界へと移り変わっていく

その軌跡は、私の心を激しく、そして、静かに

捉えて離すことはありません。

高野庸子作品

Yoko's web site 製作者へ敬愛と感謝を込めて。

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by Rutsuko

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2006年6月27日 (火)

ジャコメッティ展 in 葉山

       Poster_1

行ってきました、ジャコメッティ展!

世界各国から蒐集された充実の作品群。もう、最高でした!

↓感激のツー・ショット!

   Hayama1

デッサン、彫刻、油彩画。それらの作品に見たもの、それは、彼の生き方、人となり、親しかった人達との関係の在り方、眼差し・・・、そして、彼が探究し続けたもの。まさに彼そのものでした。本物に触れる喜び、素晴らしさを堪能しました。さらに、矢内原さんの手記、二人の往復書簡類、電報、写真の数々。これだけの作品が一同に集まる貴重な今回のジャコメッティ展。1日だけではもったいない。最終日まで毎日入り浸っていたい・・・。まだ時間があるので何度か訪れてみようと思います。

 Hayama2 Hayama3 Hayama4

上の写真は神奈川県立近代美術館葉山館の海を見下ろすテラスです。館内にあるレストランはモダンでお洒落、どのテーブルからも見える一色海岸の絶景、お料理も美味しくて大満足。(↑クリックすると拡大画像がご覧頂けます。)

          Book1

しかも!絶版になっている幻の本、矢内原伊作さんの「ジャコメッティとともに」に、未発表の日記・手帖・手紙が撰録された本など貴重本数冊を発見、感動の入手です!

      Book2  Book3

館内で入り浸っている私を見たら、どうかお気軽にお声をかけてくださいね!

20世紀美術の探究者 アルベルト・ジャコメッティ
ー矢内原伊作とともに

神奈川近代美術館

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2006年6月21日 (水)

ジャコメッティ展

     Giacometti01

先日、鎌倉の小町通りを歩いていたら、ふと視界に入ったお店のウィンドウに、なんと!ジャコメッティ展のポスターが。数年前、鎌倉の近代美術館のジャコメッティ展を逃して、滅多に来ないものと悔やんでいただけに、神奈川県立近代美術館葉山館での開催、思わず目を疑いましたが、信じられません、6月3日から開催しているのです。もちろん行って参ります!

20世紀美術の探究者 アルベルト・ジャコメッティ
ー矢内原伊作とともに

神奈川近代美術館

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2006年5月18日 (木)

アルベルト・ジャコメッティ

   Giacometti

先日、日本に帰国してからまだ解いていなかった残りの荷物を整理していたら、一時期つけていた覚書帳がでてきて、しばし感慨深いひと時。
自分の言葉で書かれたものはさておき、最も心奪われるものが、10代で出逢ってから今に至るまで、変わらず私のバイブルとなっている彫刻家アルベルト・ジャコメッティの語録集。これはジャコメッティと深い交流のあった矢内原伊作さんが書かれた、すでに絶版となっている2冊、「ジャコメッティとともに」(筑摩書房)、「ジャコメッティ 私の現実」(みすず書房)を知人からお借りして、その中にあった印象に残るジャコメッティの言葉を私がノートに書き写したもの。これをボロボロになるまで幾度も読み返してきたのですが、ここ数年、イタリアでの度重なる引越しで荷物に紛れ込んでしまい、しばらく目にしていないものでした。久々に読んだ彼の言葉はかつて理解できなかったものが、ああ、こういうことだったのか、と気づかされたり、改めて共感できるもの、現実の自分にふりかかっている問題に対しての答えであったりと、変わらず生きた言葉としてダイレクトに心に響いてくるものでした。ストイックなまでに彼の求める真実と向き合い続けた作家。彼の人間性は作品の中に息づき、永遠に私たちに何かを問いかけ続けてくれるものに思います。

    Giacometti

「私はその時、それらの芸術を作った民族の心そのものを理解するのだ。それが芸術の力だ。それはわれわれを捉え、われわれの周囲の自然をも変える力を持っている。・・(中略)・・真の芸術は『開いている』もので、見るものに働きかけ、何かを生み出すものなのだ。」アルベルト・ジャコメッティ(「ジャコメッティとともに」矢内原伊作著 筑摩書房)

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