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2011年3月26日 (土)

言葉にならない想い

南米チリに到着してから5日が経ちました。

二日後の公演初日を控え、ホテルと練習室、オケとの

リハーサル会場を往復する毎日ですが、インターネット

ニュースで見る日本の現状に胸が締め付けられる

想いで過ごしている現実でもあります。

 

こちらにきてから、多くの人々に日本の震災に関して

言葉をかけて頂いています。昨年大地震を経験している

チリの人たちは多くの言葉を費やしません。同じ痛みを

経験している彼らの言葉は短く、けれども深く心に触れます。

 

一方、現地の新聞のインタビューや公演会場での

スピーチとして、公の場における日本の現状に

ついての意見を求められていますが、そんな中で、

言葉にならない言葉、複雑な感情が込み上げて

くるのを抑えることができない自分がいます。

 

今本当に日本が直面している現実、日々の生活の

中で今どのようなことに皆が直面しているのか、

どのような精神状態で日々過ごしているのか。

 

数日前まで日本にいた自分は、放射線の話しを

聞くと外にでるのが不安になり、水道水にヨウ素が

混じっていると聞けば、水道水を飲むのが怖くなり、

余震が起きればその度に胸がぎゅっとなる。

被災地の方々のことを想えば、そんなことで弱音を

言ってはいけないと思いつつも、心に覚えるなんとも

いえない不安感と生活全体に及んでいる不穏な空気。

これらのことを想うと、今自分が語っていることは、

やはり全てではないと思えてなりません。

 

言葉にならない想い。

今被災者の方々が対峙している現実、被災地以外でも

不穏な日々の中で苦しみを共有している皆さんのことを思うと、

やはり胸が締め付けられる想いで、今ここにいる

自分が苦しくなります。

今、私がいるところは、ミネラルウォーターも

食べ物もなに不自由なく手に入り、何もかもが、

今の日本とは考えられない別世界です。

 

家族や知人から、水道水を飲みたくない、子供に

飲ませたくないけれど、ミネラルウォーターが手に

入らない、とメールがきます。

今年大学を卒業予定で就職が決まっていた

生徒が、ご家族の強い意志のもと、就職をあきらめて

東京を離れる決断をしたと聞きました。これから

結婚を考え、いつかは子供を産むことを考えられる

年頃のお子さんを持った親ならば当然の判断である

ことだと思います。

 

誰もが、もっと正確な情報が欲しいと望んでいることでしょう。

誰もが不安の中で毎日を生きていることでしょう。

 

今自分にできることは、本当に限られていて、

日本が直面している現実を想うと、無力感だけに

捉われます。一方で、すでに日本の復興と未来に向けて

猛烈に働きかけている方々も身近におられます。

 

ともかく、今いる場所で、今の自分を精一杯

生きるしかありません。

心を強くもって乗り越えたい。皆で乗り越えたい。

ただ、そう願って止みません。

離れていても、心は一つです。 

かつてなく我が国を想い求める日々です。

 

被災者の皆さまには心からのお見舞いを申し上げると

共に、被災地の方々が一刻も早く心休まる状況へと

向かいますよう、日本が一丸となって復興の道を歩み

出すことを願って止みません。

 

 

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