2011年1月 1日 (土)

新年のご挨拶

明けまして、おめでとうございます。

 

昨年も、このブログを通して、又、コンサート会場にて、

様々な場面で、多くの皆さまとの心の交流があり、

暖かいお気持ちに見守られ、励まされ、支えられて

演奏活動を続けて参ることができました。

  

人生の道のりは、良い時だけではなく、浮き沈みあり、

山あり谷ありの、実に起伏に富んだものですが、

つらい時でも、個人的に、または、演奏会場にて、

もしくは、心が曇って筆が進まずこのブログの更新を

滞ってしまった時でも、皆さまに見守り続けて頂き、

時には叱咤激励のお言葉を頂き、お心に留め続けて頂き、

これほどありがたく、皆さまの愛を感じ、支えられ、

生かされていることに、深く気づかされ、感謝の念を

抱いたことはありませんでした。

まだまだ、全ての面において、道半ばの未熟者では

ありますが、そんな皆さまの存在を大きな支えに、

そして原動力にして、一層の精進をして参りたいと、

心新たに新年を迎えています。

 

今年はリスト生誕200年の年でもあります。

リスト弾きでもあった今は亡き恩師、ベルマン先生の下で

修行するため、向ったフィレンツェでの最初のレッスンで

持って行った曲は、リストの「ダンテを読んで」でした。

以降、多くのリストの曲と共に、先生との貴重な時間を

過ごして参りました。

原点に立ち返るという意味においても、先生への想いを

胸に、今年は多くのリストの曲を、弾いて参りたいと

思っております。

 

コンサートでいつも想い馳せることは、

聴き手と弾き手、また、舞台裏で支える関係者の方々、

会場に在る全ての人の心が一つになる

瞬間が生まれ得る時の素晴らしさ。

その素晴らしい経験を、人生のうちで、皆さまと

少しでも多く共有できるなら、どんなに素敵なことでしょう。

そんな奇跡の瞬間を求めて、

2011年、全力で励んで参る所存です。

 

改めて、皆さまに心からの感謝を申し上げますと共に、

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

2011年が、皆さまにとって愛に満ち溢れた日々と

なりますように。

 

心から感謝の気持ちを込めて。

元旦

 

 

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2010年12月31日 (金)

心の洗濯

1年の終わりに、心も大掃除をしようと、旅に出ました。

冬を強烈に感じたくて、雪のある場所を求めて

走り出した道は東北道。

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晴天の下、豊かな情緒溢れる自然がなんとも美しい。

乾いたスポンジが水を吸収するかのごとく、

全ての景色に心を打たれ、新鮮な感動の連続でした。

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目的地に着いた時は雪はありませんでしたが、

美術館巡りをしている間に、抜群のタイミングで

ちらちらと当地での初雪が降ってきました。

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その日は夕方からホテルに入り、源泉かけ流し温泉に

浸かって一年分の疲れを流しました。

二日目は、朝一番に雪山を目指して走り出しました。

美しい景色に心が躍動し続け、何を見ても

全てが感動・感動・また感動。

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ゴンドラで登っていくと、山頂では雪が降りしきり

生憎の空模様で、想像していた雪に覆われた

荘厳な山々の景色は見ることができませんでしたが、

冬のダイナミックな雪山の世界を満喫し、心躍る

時を過ごしました。

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帰り道は、降り続く雪が積もりつつあり、カナダ以来、

久々の雪道をスリル満点に走りました。

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様々な表情が本当に美しい雪景色。

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そろそろと慎重に運転しながらホテルへ。

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当時、たった25人の会員のためだけに作られたという、

1室1室全て異なる趣、家具調度品の細部に至るまで

こだわりぬいたイギリス様式のホテルの部屋は、

広々と落ち着いた雰囲気で、その窓からは、手入れの

行き届いた広大な自然美が、優美なグリーンの世界から

一転、一面の銀世界へと劇的な変化を見せてくれました。

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窓から見える外の景色。

実は毎晩、意気投合したホテルのバーのマスターと

マジシャンと、深夜までお酒片手に止まらない楽しい話しで

盛り上がっていたのですが、それでも、普段の

朝寝坊はどこへやら、毎朝目覚めるのが

楽しくて、楽しくて、、、

起きるとまず心躍る想いで窓際へ向うのでした。

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部屋の反対側の窓からは、空が晴れると姿を現す

山々の景色も。

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毎朝、楽しみな雪原散歩。

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はっと心を奪われる景色がいたるところに。

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今年もあと少し。皆さんはどんな大晦日を過ごされて

いますか?

良いお年をお迎えください。

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2010年12月25日 (土)

Merry Christmas★

昨日のイヴは、久しぶりに我が家で

半日かけて料理に腕を振るいました。

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キリストの誕生を祝うクリスマス、

フィレンツェ留学時代は、深夜0時になると

教会のクリスマス・ミサへ出かけたものですが、

帰国してからは、どこの教会に行ったらよいのか

わからず・・・。昨夜も教会に行きたいなぁ、と

思っていましたが、迷っている間にとうとう

行けませんでした。。。

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毎年恒例の飾りつけ。

玄関にはリースを、そして、遅くなりましたが

今年もツリーを飾りました。

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皆さんはどんなクリスマスをお過ごしですか?

 

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2010年12月18日 (土)

「SMILE」

以前、コンサートのチラシ用に撮影した写真が、

なんと、2010年富士フィルム営業写真コンテスト

ポートレートの部でテーマ賞を受賞しました。

 

撮影してくださった伊勢丹写真室が、応募作品用の

写真として私の写真を選び、それが、富士フィルムの

コンテストで入賞したとのこと、カメラマンの方から

連絡が入った時は、思いがけない知らせに

本当に驚きました。

 

題名は、「SMILE」。

以下の富士フィルムウェブサイトからご覧頂けます。

2010年富士フィルム営業写真コンテスト 入賞作品

次回はどんな写真が撮れるかな?

 

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2010年11月29日 (月)

鳥取に大輪の花開く

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号外で配られたガイナーレ優勝を伝える日本海新聞10/24

今日は、大変嬉しいニュースです。

度々、このブログでも紹介してきました鳥取県

米子市の大山黒牛・強小亭((株)大山黒牛TMC)が

応援する、鳥取県JFLサッカーチーム・ガイナーレ

鳥取が今シーズン優勝を果たし、なんと!

本日晴れてJ2に昇格が決定となりました!

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優勝したのは、2010年10月24日地元米子市のホーム

スタジアムでの試合でした。この日、実は私も応援に

駆けつけ、この歴史的瞬間を目の当たりにできる

幸運に恵まれました。

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サポーターの方々をバックに優勝祝いの鏡割り

雨の日だったのにも関わらず、スタジアムは満席で

サポーターの方々の熱い応援に応え、見事優勝を

勝ち取った選手たち。試合終了後、即座に選手たちが

サポーター席へと向い、喜びを共に分かち合っている

姿に、感動致しました。

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写真手前から塚野氏、藤原氏

一つのチームが優勝にいたるまでには、実に様々な

激烈なドラマがあります。

上の写真は、ガイナーレを育て、資金面に於いても

多大な尽力をされた塚野さん(ガイナーレ鳥取社長)、

そして、その塚野さんの情熱に深く共感し、縁もゆかりもない

鳥取県のサッカーチームのスポンサーを引き受け、

そのために大山黒牛TMCを立ち上げ、強小亭まで

作ってしまったという、経済面で大きく支え続けた

藤原洋さん((株)大山黒牛TMC/ナノオプトニクス

エナジー社長)。

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そして、上の写真は、ガイナーレ鳥取を語る上で、又、

私の個人的な思いから米子を語る上で、決して忘れる

ことのできない方々、中ノ森さん(山陰合同銀行

取締役)、尾形さん(ガイナーレ鳥取取締役)、

加藤さん(中海テレビ常務取締役)はじめ、地域を

盛り上げるため、米子に愛と情熱を傾け、ガイナーレ

鳥取を陰となり日向となり支えて続けてきた皆さんです。

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関係者しか立ち入れないグランドに入れていただいて、

思いがけず、選手に優勝カップを手にさせて頂いた

幸福な瞬間。その場に立ち会えたことで、選手達と

サポーターの方々との熱く深い絆を目の前で感じる

貴重な体験となりました。また、ピアニストとしての

私をずっと応援して続けて下さっているお一人

お一人のお顔が浮かび、そのつながりに重なるものが

あり、胸熱くなる瞬間でもありました。

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強小亭の前にて。この日、だるまに優勝の片目を。

そして、今日はJ2昇格の片目が描かれたとのこと、

見事に両目が入りました。

 

約1ヵ月もの間このブログ更新をさぼってしまって

いました。実はしばらく長いこと、音楽面での精神的

スランプに陥っていましたが、先日、サントリーホールで

行われた諏訪内晶子さんのヴァイオリンコンチェルトと

ゲルギエフ指揮、ロンドン交響楽団の素晴しい演奏に

興奮・感動し、曇っていた心が一気に晴れる想いをして

家に戻って参りました。

聴く側にたって改めて音楽の持つ力、素晴しさを

思いました。スポーツもしかり。

大きな夢と希望、喜びを与えてくれた音楽・スポーツ界

の皆さま、そしてそれを陰日向となって支え続け

私たちに見せてくださっている方々に、心からの祝福と

感謝の気持ちをお伝えしたいです。

 

来月10日はいよいよ今年最後の公演、川口リリア

ホールでのクリスマスコンサートです。

長いスランプの時期を超えた先にはすぐ本番が

待っているという緊急事態ですが、「最後まであきらめない」

という塚野さんと藤原さんの信念を私も胸に、

最後まで今の自分のベストを尽くして励んで

参りたいと思います。

 

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2010年10月29日 (金)

宙博(そらはく)2010

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今年も宙博(そらはく)がやってきました!

今日から3日間、東京・科学技術館にて、

29日~31日まで開催されます。

 

今年のテーマは、

「宙(そら)から始まる環境エネルギー革命」。

 

展示会場やワークショップのほかに

JAXA宇宙飛行士・山崎直子氏の宇宙特別

講演や、ノーベル賞受賞者の益川敏英先生

(名古屋大学 KMI素粒子宇宙起源研究機構長)と

杉山直先生(名古屋大学教授 / 東京大学数物

連携宇宙研究機構 主任研究員)の特別対談、

村山斉先生(東京大学数物連携宇宙研究機構長

特任教授・理学博士)の講演「宇宙に終わりは

あるのか」 などなど、貴重なレクチャーや

イベントが目白押しです。

 

私も昨年に引き続き、明日、明後日と、

様々な分野でご活躍されている素晴しい

方々の貴重な講演を是非聴いてきたいと

思っています。

 

興味のある方は是非、科学技術館へ!

宙博(そらはく)2010:
http://www.sorahaku.jp/index.php

 

 

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2010年10月16日 (土)

1週間の出来事

今週は凝縮された1週間でした。

 

12日の火曜日は朝の10時から表参道カワイにて、

音楽コンクール選択曲の指導法講座をして参りました。

指導法講座は4年の苦い経験の連続。

石の上にも3年ならず4年なったか・・・。

何度も挫折しそうになりながらも、続けてきて

良かったと思える、自分としては少し嬉しい

今回の講座となりました。

自信を失くして、幾度も弱音を吐いた私を、

諦めずに見守り続け、講座を続けさせてくださった

カワイ音楽教室の先生方に感謝の気持ちが

溢れました。

 

そして、水曜日13日は、

以前から度々このブログでもご紹介している

大山黒牛焼肉店、「強小亭」の開店一周年

のお祝いで、鳥取県米子市に行って参りました。

半年ぶりの米子では、良い方々との暖かい

心の交流に、どこか心がほっこりするような、

本当に素敵な時間を過ごしてきました。

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お祝いには、元日本代表の岡野選手、服部選手

(現・ガイナーレ鳥取在)はじめ、サッカーチーム

ガイナーレ鳥取の選手たちが、シーズン中にも

関わらず、お祝いにかけつけてくれました。

ガイナーレ鳥取は、今シーズンの成績が素晴しく、

今度JFLからJ2への昇格が見えてきたこともあり、

ガイナーレを応援するために立ち上げられた

大山黒牛「強小亭」は、2重の喜びに包まれました。

 

ちなみに、ガイナーレ鳥取は岡野雅行選手と共に、

市民が集い、次世代が育ち、そして街の晴れ舞台と

なるような施設:強小の森スポーツパーク

『YAJINスタジアム』(収容約7,000名)の建設を

計画しています。個人の皆様からの協賛金を

財源として建設するこのプロジェクトは、一人一人の

想いから作られ、一人一人の想いがスタジアムの

ロードレンガやオブジェに名前を刻まれる形となって

込められるとのこと。

興味のある方は、是非一緒にスタジアムを

作ってみませんか?詳しくは、

野人続々プロジェクト:
http://www.gainare.co.jp/yajin/project/

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翌日14日は、島根県安来市の足立美術館まで

ドライブをしてきました。

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米子市から車で30分ほどの足立美術館には、

8年連続で日本一に選ばれた5万坪の庭園と、

横山大観(1868-1958)の絵画作品が収蔵され、

壮観な庭園を巡りながら、素晴しい絵画作品に

触れられるという、まさに、「名園につつまれ、

名画に染まる」そのものの大変美しい美術館でした。

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美術館内部の様々な場所に現れる絵画のような

庭園の風景。全てが「美」で完結された世界。

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また、この日は、、陶芸家・魯山人の作品も

見られることができ、その斬新でダイナミックな発想と

表現、そして、大観に通じる、魯山人の残した数々の

言葉から、その人となりを垣間見ることができ、

大変興味深いものでした。

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写真は、横山大観の写真と彼の言葉、「画は人なり」

(『大観画談』第十章 創造の世界)。曲も演奏も、

音楽は、最後はパーソナリティーである、という考えに

まさに重なるものであり、深い共感を持って、また、深く

学ぶこと多く、その静謐で心の眼で描かれた一人の

芸術家の魂と触れ合う時間を過ごして参りました。

 

美術館のすぐ隣には、鷺の湯温泉があり、美術館を

堪能した後は、温泉に入って旅の疲れを癒してきました。

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帰りのフライトまで少し余った時間を使って

この日最後に立ち寄ったのは、米子空港から

ほど近い、水木しげるの故郷境港市にある

「水木しげるロード」を散策してきました。

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139体の妖怪たちが(ブロンズ像)出迎えて

くれる道沿いには、妖怪ポストに妖怪神社、

鬼太郎グッズのショップや鬼太郎茶屋などが

延々と続き、水木しげる記念館などもあり、

まさに鬼太郎ワールド一色。

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妖怪たちと戯れながらの楽しいお散歩となりました。

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自宅に戻ってからは、生徒のレッスンに来週の

講座で弾く新たな曲の練習と研究の日々。

気持ちを新たに、また頑張って参りたいと思います。

 

強小亭:
http://www.kyoshotei.com/

ガイナーレ鳥取:
http://www.gainare.co.jp/

足立美術館:
http://www.adachi-museum.or.jp/ja/index.html 

 

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2010年10月10日 (日)

皇居散歩

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今日は17日まで開催されている上村松園展を

見に行こうと東京国立近代美術館まで足を運びましたが、

午後の3時過ぎだったのにも関わらず、長蛇の列。

5時閉館にも関わらず40分の待ち時間ということで、

泣く泣くあきらめ、平日に出直すことにしました。

当てが外れ、次に向った先は皇居。

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まず、眼に入ったのが上の写真の建物。

なにやら音楽が聴こえてきそうな建物だと、

導かれるようにして傍まで行ってみると、「桃華楽堂」

(とうかがくどう)と書かれていて、やはり、音楽堂でした。

昭和41年2月に完成し収容人員は200名の音楽堂で、

音楽好きの香淳皇后さまの還暦記念として

建設されたそうです。

大変素敵な建物で、こんなところで弾いてみたいなぁ、

とあれこれ想像を膨らませながら、しばし

見入っていました。

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隅々まで手入れが行き届いた見事な庭園。

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取り分け惹かれた石垣の前にて。

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昨日の雨とは打って変わって、今日は秋晴れの空の

下、散策日和の本当に美しい一日でした。

皆さんはどんな三連休を過ごされていますか?

 

 

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2010年9月 9日 (木)

身体作り

今日(昨日)の東京は久々に雨が降り、

永遠と続くかと思われる猛暑から一転、

肌寒い一日となりました。

一気に秋の気配が漂いはじめ、これから

雨が降るたびに、枯葉舞う季節へと

移り変わってゆく様を思い浮かべ、

自然の時の流れに想いを馳せていました。

 

そんな感傷的な気分とは裏腹に、今月から

健康的に、重力に負けない(?)身体作りを

始めようと、スポーツクラブに通い始めました。

コンサート前なので、練習も佳境に入り、

毎日通えずにいますが、マイペースに、

でも、しっかりと身体作りをしたいということで、

今日はパーソナル・トレーナーにレッスンを

受けてきました。

 

元劇団四季でバリバリに主役を務めていらした

私の先生。その姿勢の美しさ、ストイックなまでに

徹底したトレーニング、食生活で美しい肉体を

維持している先生は、見ているだけでも学ぶことが

山ほど。今日はインナーマッスルをいかに

鍛えるか、というところを学び、骨盤調整や

お腹の内側の筋肉を使うトレーニング、

ウォーキングマシーンを使って姿勢の歪みを直し、

正しい歩き方、手の振り方などを学びながら

1時間半ほど汗を流してきました。

歩いているだけで下腹の筋肉が痛くなり、

大量の汗が。しばらく正しい筋肉を使って

歩けるようになるだけでも大儀そう。。。

 

家に帰ってからは、さすがに疲れて夕食後に

爆睡。起きたのは23時すぎでした。

夜中に練習を再開し、ブログ更新して、

あーあ、すっかり夜型人間生活です。。。

 

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2010年8月29日 (日)

心の眼

うねるように鳴り響いていた蝉の声も少なくなり、

8月も終わりを迎えようとしているこの季節、

秋の足音を聞くかのごとく、心は早くも

芸術の秋へと準備をするかのように、

コンサートや歴史的建造物、庭園めぐり、

様々な美に触れようと、自ずから様々な

場所へと足が向くこの頃です。

 

猛暑が続き、すっかり感性の泉までもが

枯れ果ててしまいそうな長い夏の季節が

通り過ぎ行く気配を感じる中、見るもの

聴くもの触れるものは、まるで乾いた

スポンジが水を吸収するかのように

心に浸透してゆき、何もかもが新鮮な驚きを

与えてくれるものばかりです。

 

先日は、思いがけず桃山時代の名絵師

長谷川等伯(はせがわ とうはく 1539-1610)の

作品を見る機会に恵まれました。

粋で豪華絢爛な桃山時代を彷彿とさせる

その美しさ優美さ、そして何よりも、

その圧倒的なまでに生命力溢れた、見る者を

作品の中に引きずり込むような息を呑む

激情的な迫力に大きな衝撃を受けました。

 

それは、私たちが普段目にする木々や草花

であったりするわけですが、等伯の描くそれは、

実際目に見える自然の姿よりも一層生命力に

溢れていて、よりドラマティックでダイナミックに

凄まじいまでの迫力をもって見る者を

圧倒するのです。

 

同じ絵の具と筆を使って、同じものを見、

モチーフにして画いても、画く者によって

その画が大きく異なるのは、何故だろうか。

そのような疑問に、私が見た等伯の

作品がくれた答え、それは、

「心の眼」というものでした。

 

音楽でも絵画でも、その人の心の眼に

見えるもの、そこにこそ大きな違いが

あるのだということ。

散りゆく桜の花びらを見たとしても、そこに

刹那を感じる人もいれば新しい季節の訪れを

見出し胸弾ませる人もいる、何を想い感じるかで

その見え方は全く違うものになる。

感じ方はその人そのものです。

 

等伯に見えていたものはまさに彼が画布に

画いたものでそこには魂の全てが込められ、

全てに自らの命を投じたのだと言っても

過言ではないのでは、と思えてならないほどの

リアリティを持って、それは、一人の人間の

真実を写し出しているように私には思えました。

 

この衝撃的な出逢いは、等伯の激烈な魂が、

まさに彼そのものであるその作品を通じて、

それまで私が探し求めていた答えを

与えてくれるものでした。

 

ここ最近、何故か日本美術に惹かれることが

多く、そんな中で導かれるようにして出逢った

等伯の絵画。

9月は上村松園の絵画展なども待ちわびていて、

どうやらしばらくは日本の美の世界に

魅惑され続けそうです。

 

 

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